Forêt noir
秋が深くなると、枯葉もからからに乾燥し、踏むとパリパリと音がし、それを耳にすると、マフラーや手袋の恋しい季節になる。いよいよ本格的な冬が近づいてきたようだ。
私は四季の中で一番冬が好きだ。雪なんてもうずーと見ていたいほど大好きだし、その中でスキーなんて毎日ゲレンデに出かけて滑っていたい。もっぱら林道コースを滑り、冬の真っ白な山や森を感じるのがお気に入りだ。
空気は澄んでいるし、動物たちも冬眠している静かな大地は本当に神秘的だと思う。
東京に出てきてから、スキーも味わうこともなくなって寂しいけれど、あの空気感は未だに私の体に焼きついていて、思うだけで恋しい。
”Forêt noir"というお菓子は本当に私を大好きな世界に連れて行ってくれる。
ふかふかのスポンジは、秋の枯葉が積もって、腐葉土になって暖かな毛布のように
サンドしたチョコレートクリームや、ダークチェリーは、腐葉土の中で春を待つ秋に落ちた実り
周りの白い生クリームは、その地面に張った霜や雪
上に乗ったチョコレートコポーは、パリパリとした枯葉
”深い森”にこの冬は出かけていきたいという願いを込めて。