夏の景色
子どもがいるということのありがたみを感じている。
今の私ははるか何十年前に父母のもとに生まれて、現在に続くのだけれど、ある日姉が、「この私たちの起源が遥か遥か祖母のお腹の卵として存在していたのだよ。」とさらり教えてもらった言葉が
耳に残っている。
私は母のお腹に宿る前から存在していたってこと?理系ではない私には少し難しい数字はわからないけれど、そんな私にとって夢のある話だった。運命とか天命とかいう言葉は苦手だけれど、遠い時代の旅を想う。今の時代にはありえないようなdéjà-vuのような景色も、本当に遥か遠い時代の景色かもしれないと思い、それなら夢がある。
この夏の景色は、この先に続く誰かの未来の景色になるかもしれないのだと思うとまた夢がある。それなら今しか味わえない景色をたくさん見ていたい。
子どもが私を誘う。幼い頃に夢を感じたたくさんの景色に。
父が海に誘ってくれ、あさりの採り方を教えてくれたこと。
線香花火を楽しんだこと。しゃぼんだまを川原で吹いたこと。
夏の風景をたくさん感じて、秋の景色へと進む。