甘夏みかんのコンフィ
3月のお彼岸に山から収穫してきた甘夏みかん。両手に抱えるほど、たくさん採ってきた。
自然の豊かな山で、もちろん一切の農薬も届くこともなく、野性的に育ったみかん。
これは絶対に美味しいと感じた。
余すとこなく使うことは、私の仕事へのポリシー。
今回は皮を何度も湯通しし、何度もお砂糖で煮詰めていく。
時間はかかるけれども、時間が作り出すものがきっとあると思い、信じて手間を惜しまない。
やっとできた、コンフィはキラキラと輝く宝石のようだった。
味も、刺すような苦みはまろやかな苦みへと変わり、
甘さはその苦みとの調和を保っている。
作る喜びは、正しくそういうことを感じた瞬間だ。
早い、簡単では手に入れられない喜び。
素材と時間とそして自分の信じる気持ちに感謝している。